馬の格は馬柱に現れる

馬券力をアップさせる豆知識

「競馬は格で買え」という昔から競馬の格言があります。

私も以前から格を重視して馬券を買っています。

格で考えると最上位の馬は、GⅠを勝った馬になると思います。読んでくださっているみなさまも相違ないですよね?

しかし、その格上馬が必ずレースを勝つことが無いのも、競馬ファンには当たり前の事象ですよね。

例えば、2016年度ダービー馬のマカヒキ。

ダービー後、連勝となったフランスのGⅡ、そこから最後に勝った2021年の京都大賞典まで、およそ5年、18戦を経るまで勝ち星無し。

もし、格上馬という理由で単勝を買い続けていたら、18連敗していた訳で、私なら幾ら信じていても、メンタル的にも耐えられないです。

じゃあ、馬券に繋がる「馬の格」って、どう見るのかを自分なりに考えていることをシェアいたします。

馬の格は馬柱に現れる

さきほど、マカヒキを例に取りましたが、かつて大レースを制した馬でも、その後全く泣かず飛ばずで馬券に全くかかりもしない馬も多数いる中、どの時間枠でその馬の格を見極めていけば良いのか、毎週レースを予想しながら、データを取ることである程度傾向が見えてきました。

それは、どの競馬新聞、どの競馬アプリでも採用されている馬柱です。

馬柱は、前5走のレース内容が掲載されています。

私はこの半年間、その5レースの馬柱に、予想するレースのクラスが上のレースで馬券内に入ったレースに印を打って記録しています。

具体的に言うと、例えば予想するレースが2勝クラスで有った場合、前5走の内、2勝クラスで2着から3着に入ったレースをW、重賞、オープンレース、3勝クラスで、2着から3着に入ったレースにUという記号を印を打ってます。

その印を打った馬が、かなりの確率で、そのレースの馬券内に飛び込んできます。

1頭も馬券内に入らないというレースは、ほぼ見たことがありません。

その中でもUの印がつく馬というのは、出走馬の中でもさほど多くないはずなのに、割合としては、1着から3着まで入る確率は、圧倒的と言えるものです。

私調べにはなりますが、例えば、2勝クラスでは勝率が29.4%、複勝率は51%を記録しています。

ただ、こういう馬は、ほぼ今までの実績で人気になるのですが、たまに、何故かわからないくらい、まるでエアポケットにスポッと入ったの如く、人気が急落していて、非常に美味しいときがあります。

その典型的だったレースが、先日行われたGⅢフェアリーステークス。

全16頭の出走でしたが、1番人気は新馬勝ち、特別2着の⑥ヒップホップソウル、2番人気は、未勝利勝ち、GⅢアルテミスS9着の⑦ディナトセレーネ、3番人気は、新馬勝ち、GⅡ京王杯8着の⑨エナジーチャイム。

しかし、上の馬柱見ていただくとわかりますが、GⅢ新潟2歳ステークス勝馬でありこのレース唯一の重賞ウイナーである⑭キタウイングは、11番人気。それに続く実績馬、GⅡ京王杯3着の①スピードオブライトが、6番人気。

そして結果はご存知の方多いと思いますが、以下の通り。

前述の11番人気キタウイングが勝利、7番人気メイクアスナッチが2着、6番人気スピードオブライトが3着に入る大波乱。

単勝3,580円、馬連21,140円、3連単が517,430円の大波乱。

そして私は、キタウイングースピードオブライトの実績馬同士のワイド馬券1点勝負で、回収率6890%の大勝利。

得てして、2歳、3歳重賞では、よくあることなのですが、新馬戦を派手な差し切り勝ちで勝ったとか、タイムが良かった、圧勝したとなると重賞級、いやクラシック候補として、もてはやされ、そしてレースで人気を裏切る。

こんなに実績馬が極端に人気無いのも珍しいですが、美味しいなと思わず買った次第です。

そして着順では表せない格もあります。それが着差。

勝馬に10馬身離された2着も、ハナ差の2着も、着順は同じ2着。そのハナ差のレースで、2馬身差の8着の馬の方が10馬身離された2着より強いと思いませんか?

その例が、フェアリーSと同日に行われた中京メインの淀短距離ステークス。

勝ったのは、9番人気ホープフルサインでした。単勝3,200円、馬連37,950円、3連単3,564,220円のフェアリーステークスを上回る大波乱。

馬柱がこちら。

このレースがオープン特別なので格上である重賞で差の無い競馬をしたのは、前述の②ホープフルサイン、GⅢ0.2秒差の4着、⑩キャプテンドレイクのGⅢ0.5秒差の5着、⑭GⅢ0.6秒差5着の⑭グレイイングリーンの3頭のみ。

その中で一番着差も少なく、直近の前走であるホープフルサインは、買っておくべき馬なのに、4着という着順ばかりで着差を見ず見落としてしまったのです。

※これだけの馬が人気なかったのは、ほぼ1年の長期休養明けが原因でしょうけど。これが順調に使われていれば、1番、2番人気にはなっていたでしょうね。

因みに厩舎側として考えると、長期休養するのは馬房の枠のこと、馬主側から考えると厩舎への支払いで活躍する見込みの無い馬を置いておくのは経済的にありえないので、それだけ期待もしているだろうし、足元が弱くて順調に使えないのであれば、使えるレースはすべて勝負レースとして仕上げていてもおかしくはないです。そういう意味で実績馬が長期休養した場合は一発目のレースが人気も無くて狙い目となります。

ホープフルサイン、次走は人気になるの間違いないですから。

そういう意味で自分への戒めとして、着差の大事さを思い知ったレースで印象に残ったので紹介しました。

余談ですが、この日Win3まで当てていて、Win4フェアリーステークスで統計上捨てて良いと考えて11番人気のキタウイングを入れず、Win5淀短距離ステークスでホープフルサインを見落として、非常に悔しい思いをしことも記憶に残る大きな要因なのですが…。(まあ、キタウイング買っていたら、Win4達成で、最後のレース落として、余計にショックでしたけどw)

といううことで気になった私は、馬柱に掲載の前5走のレースの格と着差に着目して年明けの重賞を検証してみました。

馬の格を重賞で検証してみる

まずは、年始を飾る恒例レースであるGⅢ金杯。中山から。

このレースはGⅢなので、馬柱をチェックするのは、同じGⅢとGⅡ以上のレース。

GⅢ以上のレースで僅差の勝負をした馬に該当するのは、①マテンロウレオ(GⅢ着差無し)、②クリノプレミアム(GⅢ0.1差)③ジオグリフ(G10.6差)⑤フェーングロッケン(GⅢ0.4差、GⅢ勝ち)⑦アラタ(GⅡ0.3差)⑫ウインキートス(GⅡ0.1差、0.4差)⑭ワンダフルタウン(GⅢ0.4差、GⅡ勝ち)の7頭。

結果は、

先程チェックした馬で1着から5着までを占めました。

私は馬絞りきれず、このレースは馬券パスしました。

次は京都金杯といっても施行は中京。

このレースもGⅢなので、チェックするのはGⅢ以上ですが、GⅠで好走した馬が4頭のみ。

②プレサージュリフト(秋華賞0.6差9着、オークス0.6差5着、桜花賞0.5差11着)⑤エアロロノア(マイルCS0.4差7着、安田記念0.2差7着)⑦イルーシヴパンサー(安田記念0.2差8着)⑩マテンロウオリオン(NHKマイル着差無し2着、マイルCS0.7差10着)

着差と着順の関係見てみると、面白いでしょ。どうしても着順に目が行って、着差は軽視してしまうのです。0.2秒差というのはおよそ1馬身差ですからほとんど負けてないんですよね。展開ひとつでひっくり返ってもおかしくない着差なんです。そういう意味で古馬混合マイルGⅠで0.2秒差のエアロロノア、イルーシヴパンサーはここでは抜けた存在です。

と、こんなエエカッコ言ってますが、この時点でイルーシヴパンサーの存在に私は気づいてませんw

結果は

5番人気イルーシヴパンサーが勝ち、4番人気エアロロノアが2着、2番人気プレサージュリフトが3着。

1番人気マテンロウオリオンが13着と沈みました。鞍上の典さんの後方ポツンが話題になったレースですね。

私が買ったのはエアロロノアとピースワンパラディとのワイド馬券。このときもなぜイルーシヴパンサー気づかなかったのだろうと後悔しました。(惜しいんですけどね)

次は1月8日に開催されたGⅢシンザン記念です。

3歳馬GⅢで、出走馬が7頭という少頭数のレース。

2歳馬GⅠが年末3レース開催されているため、オープン馬が手薄になっていることもあり、中心は、新馬・未勝利勝ちの1勝クラスの馬ばかりで、重賞出走経験馬が、③スズカダブル(GⅠ1.2秒差13着)、⑥シンゼンイズモ(GⅢ0.5差7着)、⑦ペースセッティング(GⅡ0.2差4着)のみ。

GⅠでもマイル戦で1.2秒差は負け過ぎなので、検討できるのは、⑥シンゼンイズモと⑦ペースセッティングのみで私はGⅡでの実績からペースセッティングを馬券の中心に考えましたが、相手がわからず馬券はスルー。

結果は、こちら。

3番人気ペースセッティングが2着、5番人気スズカダブルが4着。

次の重賞は前述のフェアリーステークスなので、次に検証するのは、1月14日(土)に開催の牝馬限定ハンデ重賞GⅢ愛知杯。

ここで改めてレースの格を私なりに考えると、こうなります。

  • GⅠ>GⅡ>GⅢ>リステッド>平場オープン>3勝>2勝>1勝>新馬>未勝利
  • 定量・別定重量>ハンデ
  • 牡馬・牝馬混合戦>牝馬限定戦
  • 古馬>2歳・3歳限定

なので、今回の愛知杯は、牝馬限定ハンデGⅢなので、かなり格としては下の重賞となります。

馬柱はこれです。

チェックするのは愛知杯より格上になるGⅢ(牝馬限定、別定・定量)以上のレース。

該当するのは、以下8頭。 

①サトノセシル…クイーンS(牝馬限定GⅢ)着差無し2着、アイルランドT(牝馬限定GⅡ)0.2秒差4着、福島記念(牡馬混合ハンデGⅢ)0.3差2着

②マリアエレーナ…小倉記念(牡馬混合ハンデGⅢ)勝ち、天皇賞秋(牡馬混合GⅠ)0.7差7着

③アートハウス…ローズS(牝馬限定GⅡ)勝ち、秋華賞(牝馬限定GⅠ)0.4差5着

⑤エリカヴィータ…フローラS(牝馬限定GⅡ)勝ち、秋華賞(牝馬限定GⅠ)0.9差13着

⑧アンドヴァラナウト…阪神牝馬S(牝馬限定GⅡ)0.1秒差2着、ヴィクトリアマイル(牝馬限定GⅠ)0.9差14着、アイルランドT(牝馬限定GⅡ)0.2秒差3着

⑩ルビーカサブランカ…クイーンS(牝馬限定GⅢ)0.1秒差4着、チャレンジC(牡馬混合GⅢ)0.3差2着

⑬アイコンテーラー…中日新聞杯(牡馬混合ハンデGⅢ)0.1差3着

⑮アブレイズ…ヴィクトリアマイル(牝馬限定GⅠ)0.6差7着、アイルランドT(牝馬限定GⅡ)0.2差5着、天皇賞秋(牡馬混合GⅠ)0.8差10着

他にもGⅢ使っている馬も居ますが、着差が大きかったりするので省きます。

格を考えるとGⅡ勝っているアートハウス、エリカヴィータ>GⅢ勝ちのマリアエレーナ>牝馬限定GⅡ僅差のアンドヴァラナウト>牡馬混合GⅢ僅差のルビーカサブランカ>牡馬混合GⅠそれほど負けてないアブレイズ>牡馬混合ハンデGⅢ0.1差のアイコンテーラー>同じく牡馬混合ハンデGⅢ0.3差のサトノセシルとなるでしょうか?

私は人気を考慮して、マリアエレーナとルビーカサブランカのワイドを購入しました。

さて、結果は以下の通り

前述8頭の内、5頭が掲示板を独占。買い方をうまくすれば、この8頭で、3連単(32,220円)買っていても充分儲け出ていたでしょうね。

馬券は当たってませんが馬券の買い方としては、ルビーカサブランカの代わりに実力の割りに人気薄のアブレイズを買うべきだと後で思いましたね。

実績馬なのに、人気が無いというのは、好業績の会社の株式が安く手に入るようなものなのです。

逆に昇り馬で人気のルージュエヴァイユは、軽視していました。

確かにGⅡでもそこそこの成績ですが、そのGⅡのレースで遥かに人気薄のエリカヴィータに負けているわけですし、割高の株式の様に、全然馬券妙味が無いのですね。

基本、昇級初戦のレースで人気になっている馬を軽視するほうがトータルで馬券の収支良くなるはずです。馬券もワイドを選んで、そういう馬を外して買っておけば、万一来ても勝つ可能性高いですし、来なければ配当もアップするので、オススメです。

※但し、そのレースの出走メンバーが頼りない場合、及び、今回のルージュエヴァイユのように、負けていても上のクラスのレースを体験している場合は、人気の昇級馬でも私も買うことがあります。この愛知杯でも他の格上馬が出走しない場合は中心視します。

割安のものを買って、割高のものは買わない。株でもお買い物でも上手な買い方ですよね。

最後にGⅡ日経新春杯を取り上げます。

このレースはGⅡハンデ戦です。なので、同じ格以上のレース(GⅡ別定・定量)で確認していきます。

すると、②ヴェルトライゼンデ…JC(GⅠ)0.1差2着、鳴尾記念(別定GⅢ)勝ち、AJCC(別定GⅡ)0.1差2着と別格。

こうなると、②ロバートソンキー…オールカマー(別定GⅡ)0.2差2着、⑫プラダリア…青葉賞(別定GⅡ)勝ち、⑬アフリカンゴールド…京都記念(別定GⅡ)勝ちくらいしか、対抗できなくなります。

①ヤマニンゼストも人気していましたが、GⅡ0.6秒差、GⅠ1.2秒差とかなり見劣りします。

⑧ヴェローナシチーもGⅡ0.1秒差ですが3勝クラスも勝ちきれないという勝負弱さが目立ちますので人気なら切りたいところ。

私の予想は、ヴェルトライゼンデと、中京実績のある穴馬、イクスプロージョンとのワイドでした。

結果はこちら。

別格のヴェルトライゼンデが勝利。(この馬が2番人気は美味しい)人気薄、格下とも言える10番人気キングオブドラゴンが2着に来ましたが、プラダリアは3着。

まあ、こうやって、2023年年初からの重賞を馬柱に掲載されている、着差から見る格で検証していきましたが、いかがでしょうか?

思ったより、格が競馬予想に重要ということが理解されたのだと思いますし、私も改めて検証して感じました。

この格を重視した予想法は、オープンクラス以上のレースで威力を発揮すると思います。

条件戦でも格上馬が出走することありますが、まずそういう馬は人気になり、人気の盲点になるケースが少ないです。

オープンクラス以上は、多くの格上馬が出走するレースが多く、人気の盲点になることも多いので狙い目です。

但し、すべてのレースが格で決まるわけではありません。

昇級初戦の馬が勝つこともあり、全く想像もしない馬が勝つこともあります。

あくまで予想の軸の一つとして、ご参考にしてくださればありがたいです。

因みに、私はこの格と、展開が不利なレースで強い競馬をした馬を予想の軸に置いています。

展開が不利なレースで強い競馬をした馬については詳しくは以下の記事をご覧ください。

まとめ

かなり長文の記事になりましたので最後にまとめ

  • 馬の格の判断を馬柱(近5走)の該当レースのクラス以上レースの着差で判断。
  • レースの格は、GⅠ>GⅡ>GⅢ>リステッド>オープン特別>条件戦、別定・定量戦>ハンデ戦、牡馬牝馬混合レース>2歳・3歳限定レースの順となります。
  • 格上馬が不当に人気が無いレースを狙え(長期休養明け、昇級初戦の馬が人気になる場合)。
  • 格を予想の軸にするのはオープンクラス以上のレースがオススメ。
  • 競馬は格だけでは決まらない、他の要素も馬券検討の軸に加えろ

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